AIが“盛られた評価”を見抜く時代に|UCバークレー発の衝撃研究とは?
目次
「あれ、なんか最近、レビュー★が全部4.3止まりだな…」
「“いいね”は多いけど、本当に満足してるのか分からない…」
そんなもやっと感、マーケターなら一度は感じたことがあるはず。
その正体、実は【社会的影響バイアス(Social Influence Bias)】かもしれません。
この記事は、2025年6月22日noteに投稿したものです。
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「みんなが良いって言うから、そうした」
評価は空気に流されます。AmazonやNetflix、食べログやSNSでもよく見る平均評価やいいね数。これらはときに、ユーザーの“本音の声”をゆがめます。
人は「他の人がどう思っているか」を見ると、自分の評価や判断を変えてしまう心理的クセがあるからです。
これを、Social Influence Bias(社会的影響バイアス)といいます。
UCバークレーが明かした「ホンネと建前」の分岐点
2024年、カリフォルニア大学バークレー校の電気工学・コンピュータサイエンス学科に所属する4人が下記を発表。簡潔にいうと、「他人の評価をみると自分の評価まで変えてしまう人ばかりだよ。それを修正して、本当の評価を引き出すアルゴリズムを考えたよ!」みたいな感じ。
California Report Card(CRC)実験
ユーザーに「政治のテーマ」に対して、A+~F(13段階評価)で採点してもらう
① 平均(中央値)を見る前に評価
② その後、中央値を表示
③ さらにもう一度評価を変更するチャンスを与える
すると…
なんと全体の約20%が、中央値に引っ張られて評価を変えた!
しかも、変えたあとの評価は19.3%も中央値に近づいていた。
解決策:AIが“バイアスのない本音”を推定する
この研究がすごいのは、ここから。なんと、AIがこの“ゆがんだ評価”を元に戻すモデルを作ったのです。
やったことを超シンプルに言うと…
- 入力:ユーザーが最後に付けた評価 + そのとき見た平均値
- AIがやること:両者のズレから「元の評価」を逆算
- 出力:ユーザーのホンネに近いスコア
数学的には、ポリノミアル回帰 + BIC(情報量規準)を使って「バイアス補正関数」を構築。その精度は、RMSE 12.8%(±0.6段階くらいの誤差)。
そして、バイアスの影響を76.3%も軽減できたという結果に。
これ、マーケターにとって何がすごい?
この技術と考え方、私たちマーケターの実務とガチで関係してます。
1. レビューやアンケートの“真の声”が分かる
- 周りに合わせて高評価してるレビューも
- 流行ってるから推しとく投稿も
→ AIが“本当はこう思ってた”を逆算できる。
これ、プロダクト改善にもコピーライティングにもめちゃくちゃ活きる。
2. レコメンドの精度が上がる
普通のレコメンドAIは、バイアスのあるデータをもとに学習してしまう。
でもこの技術が入れば、
- 本音ベースの嗜好データが得られる
- あなたが本当に好きそうなものをレコメンドできる
→ つまり、“自分の好みが理解されてる”UXが生まれる。
3. SNS投稿の「構造的バイアス」も見抜けるように
- みんな言ってる系の投稿
- もとのフォロワー数が多いから流行った投稿
- 空気読んだ意見の連鎖
これらがどう「判断をゆがめるか」を、AIが分析・補正できれば、マーケターとしても“真に心を動かす投稿”が見えてくる。
ホンネを見抜くAIがあたりまえに
この研究は、将来的にこんなAIを生み出す可能性を秘めています。

まとめ:バイアスは避けられない。でも、見抜ける。
人は誰でも、空気を読む。
みんなの評価を見ると、自分もそっちに流されてしまう。
でも、その現象を数値で証明し、修正できる技術がもうここにある。
「この評価は本当か?」
「このレビューの裏に何があるか?」
マーケターがこの深読み力をAIと一緒に使いこなせば、次の時代の本質マーケティングが始まるかもしれません。
執筆:赤髪 / SNS戦略家
AI × 心理 × SNSアルゴリズムで、ビジネスの未来を読み解く。
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