チームの運営:特性に合わせて役割分担する
会社に関わってくれる人数も増えて、指示の出し方や現状報告の仕方などを考慮することが増えた。まだまだ完ぺきではないが、今思っていることをここにまとめておく。
言葉にしても伝わらない
考えていることを言葉にしなければ、相手には伝わらない。言葉にしても、十分に伝わることはまれだ。
円滑なコミュニケーションと良好な人間関係を築くためには、
互いの長所と短所に対する理解
多角的な経験の共有
一定以上の時間を共有すること
が不可欠である。
個性に合わせた役割分担
人はそれぞれ得意とすることと苦手とすることがある。相手が苦手とすることを求めると、自分が想像している以上のストレスを与えてしまう。
例えば、家事が苦手な人に効率を求めたり、外出が嫌いな人を旅行に誘ったり、人見知りな人に営業職を与えたり、おしゃれが好きな人に地味な制服を着用を強要したり。自分にとってはストレスにならなくても、他の人にとっては苦痛の源となることがある。
最近、「転生したらスライムだった件」というアニメを視聴した。主人公が少しずつ仲間を増やしながら国を作り上げる物語である。さまざまな種族の仲間が加わっていくが、
力仕事が得意で手先が器用な人 → 武器の製造や建築
研究が得意な人 → 薬の開発
闘いが得意な人 → 普段の仕事はないが、危機が迫った時に最前線で身を挺す
など、それぞれの特性に合わせた役割を担当する。
これがチーム運営の基本だと思う。当然のことだが、人間は時々間違いを犯す。
例えば、
人手が足りないが、求人も面倒だし、既存のメンバーで解決を図る
経費を抑えたいため、相手の能力以上の品質を強要する
現状の仕事の質は足りないが、無理をさせればできるだろうと期待する
自分ができることなので、他の人もできると思い込む
といった自分本位な行動を取ることがある。
他人に向いていない役割を押し付けることは非常に危険な行為である。その場では問題が解決したと感じるかもしれないが、実際には新たな問題を引き起こしているだけだ。
人間は感情やストレスを正確に把握できるわけではない。むしろ、多くの場合、疲労がたまっていることに気づかないままである。
チームを上手く導くためには
以前、私が尊敬する元Instagram代表の長瀬次英さんに、チーム運営において最も大切なことは何かを尋ねたことがある。その時、長瀬さんは「チームのみんながハッピーかどうか」と答えてくれた。
たった一言だが、これが本質だろうと身に染みる。
自分自身を一人称で考えるなら、「それぞれの特性に合わせた役割分担を構成できているか」ということ。
チームの代表として、チームメンバーの特性を理解し、適切な役割分担を与え、各メンバーの距離感をコントロールし、ストレスを与えないようにすることが重要である。
そのためには、最初に述べた
互いの長所および短所に対する理解
多角的な経験の共有
一定以上の時間を共有すること
が大切である。自分だけでなく、チームメンバー同士が互いの特性を知ることで、不満が生じにくくなる。
「転生したらスライムだった件」に例えるならば、「強いからって…戦争でいつも最前線で身を張っているからといって、普段は仕事しないのはズルい」「僕たちだけが力仕事で、あの人たちはデスクワークで楽だ」などという不満が生じないように、それぞれの存在価値を伝える必要がある。
食事や運動を一緒に行うことで、オフィスだけでは見えない相手の長所を目にする機会が得られる。
最低限のコミュニケーションが欠けないように、一定以上の時間を共有することを確保する必要がある。
チーム運営は非常に難しいものだ。私もまだまだ至らない点が多い。
しかし、一人でできることは限られている。経験も増えるし、大勢で一つの目標に向かうことは、幸せを追求する行為そのものである。
大きなチームを作り率いていくために、まだまだ修行が必要だ。
2023.05 赤髪@新幹線の中にて
人に応じて組織を作るか、組織に合わせた人を取るかのアプローチの違いがあると思います。
自分も初めは前者でした。
仲良く和気あいあいが楽しい職場だった。
この人がいるからこれができたりできなかったりする。
これは自然体で楽な反面、誰も成長できなかったんです。
そこで人事コンサルを入れてひっくり返してみました。
組織のミッションを決めて必要なスキルを定義。
まっさらな組織図を作って役割を定義して、そこの資質を決める。テストもするし昇格だけでなく降格も定義する。
その結果、自分の役割と負われる数字が決まった。
なんとなく早く走れと言われるのと、100メートルを10秒で走れと言われるのでは結果が違う。
「自転車に使って良いですか?」と聞いてくれる人もいれば、残念ながら諦めて離脱する人も出る。
どちらを選ぶ方が正しいとかは無いと思うけど、最近は後者の方が優しいんじゃ無いかと思うのです。